相続放棄過去最大になっている状況
相続放棄の件数が年々増加し、2022年には全国の家庭裁判所で過去最多の26万497件が受理されました。
この増加の背景には、人口減少や過疎化の進行に伴い、空き家となった実家の維持費や固定資産税の負担を避けるために相続を放棄するケースや、疎遠な親族の遺産を受け取らないケースが増えていることが指摘されています。

相続放棄増加の背景
- 経済的負担の回避
- 空き家や利用価値の低い土地を相続することで、固定資産税や維持費の負担を背負うのを避けたい。
- マイナスの遺産(借金)の存在
- 遺産に借金が含まれる場合、経済的リスクを避けるために放棄を選択する人が増加。
- 家族関係の希薄化
- 親族間の交流が減少し、財産に対する関心や責任感が薄れる。
- 人口減少・過疎化
- 特に地方では、土地や家の需要が減少し、資産としての価値が下がる。
相続放棄の影響
- 空き家問題の深刻化
- 誰も相続しないために放置される空き家が増え、防災や治安、景観の悪化が懸念される。
- 所有者不明土地の増加
- 行政の負担増
- 管理者不在の土地や建物の維持・管理が自治体にのしかかり、財政的負担が増大。
- 経済への影響
- 相続による資産移転が滞り、経済活動が低下する可能性がある。